尾ビレの模様Submitted by Sonoda on 日, 06/29/2008 - 11:25 |
尾ビレの模様は不完全優性遺伝です。
[不完全優性とは]
個体は2つの遺伝子を持っているものと考え,その2つの合成結果が表現型として現れます。
たとえば花では,赤い花と白い花を交配するとピンクの花ができるというケースがよくみられます。これは赤い花が赤の遺伝子Rを2つもっている,白い花は白の遺伝子Wを2つもっていると考え,ピンクの花はRWという組み合わせになっていると判断できます。
赤い花RRと白い花WWを掛け合わせるとすべての子がRW(ピンク)という遺伝子を持つ個体になります。
次にピンクのRW同士の交配ではRR/RW/WWが1:2:1で出ます。1世代おいて再び赤と白が出てくる可能性があるわけです。
グッピーの尾の色と柄は,この不完全優性で遺伝します。
AQUAZONE AXではグッピーの尾の柄はおよそ4パターンに大別できます。
■プレーン PTレベル0
まったく柄がありません。レッドテールやアルビノの尾に見られます。

■グラス PTレベル1
ブルーグラスに見られる点々模様です。

■グラス(強) PTレベル2
グラスとモザイクの中間程度の模様です。本物のグッピーならば多分この程度まではグラスと呼ばれるような気がします。呼称がわからないので「グラス(強)」ということにしておきます。

■モザイク PTレベル3
イエローモザイクやキングコブラに見られる密度の高い模様です。

なお0から3というレベル表現は,私が勝手に区切ったものです。
パターンのレベルをPTn(nは0から3の数字で表現レベル)という呼び方にして考えてみます。
PT0の個体は2つの遺伝子のいずれもが0だと推測できます。0-0ならばプレーンであるということです。
初期魚のレッドテイルやアルビノのオスはすべてPT0です。おそらくメスもPT0だと思われるため,レッドテイルやアルビノを交配し続けても尾ビレに柄は出てきません。どんなに交配を繰り返しても0-0と0-0の交配では1以上は生まれません。
レベル1の個体は1-0という遺伝子構造です。初期魚ブルーグラスのオスはほぼすべてPT1の個体です(だからこそブルー”グラス”なんですけどね)。ただしメスはこの限りではない個体が混ざっているようです。
ここまでは単純です。
問題はPT2とPT3です。
PT2は2-0または1-1の可能性があります。合計が2なのでPT2の柄が表現型として出ているわけですが,それが1+1なのか2+0なのかは外見からはわかりません。
PT3も同様に3-0あるいは2-1と言う可能性があるわけですが,さらに2-2,3-2,3-3という合計が3を超えた結果の可能性もあります。AQUAZONEとしては多分モザイク以上の表現描画がありません。したがって3-3で合計6でも1-2で合計3でもモザイクとして描かれている可能性があります。
ブルーグラスの交配で考えてみましょう。父親がPT1(つまり1-0)のグラスです。母親は外見からPTレベルがわかりません。
母親の遺伝子が1-0だった場合,次のような期待値になります。
父 母
1 + 1
1 + 0
0 + 1
0 + 0
結果的にPT2が25%,PT1が50%,PT0が25%となります。
母親の遺伝子が1-1だった場合は次のような期待値になります。
父 母
1 + 1
1 + 1
0 + 1
0 + 1
結果的にPT2が50%,PT1が50%です。PT0つまりプレーンは出ません。
父親がPT1の場合は比較的判断がしやすくなります。PT1であれば必ず1-0の組み合わせの遺伝子ですから,子にプレーン(PT0)が出なければ,母親は最低でも1-1を持っていると予測できます。
勿論遺伝比率は確率でしかないため,50%出るはずの表現型が1尾もでないこともあることは考慮が必要です。
柄のレベルは初期魚と私が交配した第1世代の子をベースに考察している段階なので,今後ここの内容が書き換えられる可能性は十分にあります。