右下がりのシュークリーム
Twitterでもつぶやいていたりするけど,最近某社の原稿料が気持ち下がりました。
私の場合,減少額はページあたりシュークリーム2個(こだわるな)程度です。
ライターにも年功序列とまでいかないけれど,多少はランクがあって,この減少額も他のライターさんたちとは異なるかもしれません。だからあえて「いくら下がった」ではなくて,”シュークリーム2個”と書いてます。大人の心配りですね。園田,すごいぞ。
まあ歯に衣着せず言ってしまえば,出版業界は右下がりです。うちの近所では2軒の書店が閉店しました。一昔前にガソリンスタンドがバタバタと無くなった時期を思い出します。そういえばレコード屋(世代的にCD屋と言えない)も,ここ数年で何軒か潰れちゃったな。街の小さな写真屋もデジカメの普及で潰れてるや。
世の中の仕組みの変化によって,業界丸ごとを飲み込んで右下がりになっていくというのは,インターネットとやらができてから珍しいことでもなくなりました。
出版業界は危ないです。
んなことはわかってますとも。それで食ってるんだから。パートで仕事してる嫁に年収負けてるしさ。
もし自分が30代だったら,多分とっととケツまくって逃げてます。沈みかかった船から逃げるネズミみたいなものです。昔から鼻は利きます。だから12年前に写真屋の店長やめてるんだもの。
だけど今回は逃げません。なぜ?
出版業界が危ないってのは,紙にインクで刷ったものが危ないというだけのことであって,文字そのものがいらないといわれているわけじゃないんですね。私は文章の一次生産者です。いわば畑でタマネギを作っている農家みたいなものです。
出版が傾いている現状というのは,今まで最終消費者が炒めて食べていたタマネギが不評になってきたということであって,じゃあ生で食べようかという”今までとは異なる食し方”はむしろ伸びているということを意味します。タマネギの消費量はかわらないんですね。
出版が傾いた,だから一次生産者もいなくなった。これでは最終的に食卓に上る料理の質やバリエーションが維持できません。私はプロですもの。素人に簡単に席を譲って退散できません。
ライターの質って実は低下しているんじゃないかと,私は思ってます。他のジャンルのライターさんはわかりませんけどね。少なくてもプログラムであるとか,ITであるとか,そっちの方面で「読む人を惹きつけられる」という技術は明らかに低下しているように見えるわけです。
そりゃたしかに仕事でプログラムなりIT情報を欲している人に対して,無駄話だけでもどうかと思うけれど,贅肉をそぎ落としすぎて,無機質すぎるんですよね。無駄のない話は斜め読みで終わってしまう。
「必要なことを伝えられればいい」なのか「自分の文章を読んでもらいたい」なのか,そこが微妙な違いなのかなって思います。私は読んでもらいたいです。
伝えるだけなら箇条書きでいい。それは自分が大嫌いな,何年か前の図解モノと同じで,「はたしてこの本に著者と呼べる人がいるのか」になっちゃうんですよ。仮にも著者として印税を頂くのに,実際にやっているのは画面キャプチャとヘルプやポップアップ・メッセージの書き写しって,それはライターじゃないだろうと。
笑いって必要なんですよ。それがどんなに自虐的であっても。
自分も3年くらいプログラマやってストレスで顔面麻痺になった経験からいうと,こういう笑えるネタは心のリポビタンDとしてあるべきなんじゃないかな。それと似たような空気が,文章の中にだってあるべきじゃないかな,とかいろいろ考える夜です。
ああ,シュークリームうまい